「なっ!」
目の前の人影に、シルヴィアは瞬時に戦闘態勢を整えようとする。
あらわれたのが、愛らしい顔立ちの少女であっても、
彼女のこれまでの経験が、他者という存在に最大限の警戒感を抱かせた。
常なら、どのような不意打ちであっても、遅れをとるような事はない彼女だったが……
「んんっ あくっ」
下腹を抉るおぞましい貞操帯。
女性として、もっとも大切な部分を強制開口させられ辱められる屈辱と望まぬ疼きに、
戦士としての余裕を奪い去られる。
その時、それは起こった。
「えっ!?」
黒髪の少女−神威藍香−もまた驚愕の表情をうかべる。
突如、目の前の空中に光が灯る。
中空に浮く、四角く切り取られたその窓は、空間投影された魔法ディスプレイで
(なんだ、これは!?)
シルヴィアが声を上げる間もなく、そこに映し出された映像は……
(この部屋の内部か!?)
彼女自身と神威の姿、
さらにアングルを変えたカメラは、急速にシルヴィアの足下に回り込むと……
「……!!」
シルヴィアは、声にならない絶叫をあげる。
なぜなら、映像に捉えられていたのは、無惨な陵辱を受ける自分自身の下半身だった。
そのクスコと呼ばれる金属器具が、
エルフの少女の女性器の部分、さらに後ろのアヌスの部分に
深々と打ち込まれており、魔法的な力によって2つの穴が強制的に開口させている。
映像の中、幼い少女の可憐な部分が無様にピンク色の粘膜をさらし、
ひくつく膣襞の動きまで、克明に伝えてくる。
「みっ、見るな、見るなぁぁぁ」
シルヴィアは、目の端に涙を浮かべ、カメラの視線から下腹部を遮ろうとする。
しかし、その姿とは裏腹に、強制開口された膣口からはネットリとした
透明粘液の筋が太ももの内側へと垂れ落ち、メスの発情を伝えてくる。
(こ、こんな姿を他人に……)
シルヴィアが恥ずかしさのあまり、逃げだそうとした時だった。
「大丈夫! 大丈夫だから」
目の前の制服姿の少女が、思いもよらぬ言葉を発する。
彼女の視線は、シルヴィアの事を嘲るでもなく、哀れむでもなく、
ただしっかりと、真摯な光だけをたたえて見つめている。
「大丈夫、だから、逃げないで……」
藍香は、優しく銀髪のエルフの少女に語りかけた。
いつの間にか消えていた魔法ビジョンの映像。
数分後、シルヴィアは覚悟をきめて、藍香にいきさつを話した。
トラップによって、無理矢理こんな器具を装着されてしまった事を。
これまで、何度も人間達によって、過酷な運命を背負わされてきた
彼女にとっては、それは恐怖との戦いでもあった。
(また、騙されるかもしれない……)
しかし……
「もう、大丈夫だから」
藍香は、ただそれだけをささやきギュッとシルヴィアを抱きしめる。
「あっ……」
シルヴィアを包み込む、優しく暖かい香り。
銀髪のエルフの少女は、瞳をとじるとただ藍香の胸に顔をうずめた。
その後、2人は話し合い、行動を共にすることを約束する。
藍香はシルヴィアを助けたかったし、シルヴィアも藍香の事を
信頼できる友人になれそうだと思っていた。
その時、
「うっ」
頬を赤らめたシルヴィアが、痛みに眉根をよせながら、
その幼い姿にはアンバランスな自らの胸に手をあてる。
(こ、こんな時に……)
望まぬながら、こんな肉体にされて以来、その発作は定期的にシルヴィアを襲ってくる。
乳房の内が昂ぶり、乳首に激しい疼きと痛みがはしる。
(そんな……)
「大丈夫、シルヴィア!?」
心配そうに顔を寄せる藍香に、シルヴィアは告げる。
「悪いが……このあたりに、1人になれる場所はないか?」
「でも、危ないわよ」
「わかっている、でも、今は人目に付きたくないんだ」
シルヴィアの瞳の切実な光を読み取った藍香は、理由を聞かずにうなずく。
「さっき、私のきた、ここの南側の部屋に、その小さな個室……があったけど……」
「個室?」
さすがに、それがトイレだとは言いにくかったものの他に思い当たる場所も無い。
「藍香、案内たのめるか?」
「うん、わかったわ」
こうして、2人は南の部屋へと移動した。
移動した先の隣室に置かれていたのは、直立した棺桶といった風情の箱。
上背のある成人男性でも、十分に格納できるほどの大きさだった。
藍香に聞くと、内部はごく普通のトイレとして利用できるらしい。
なにかの罠ではないかと警戒するシルヴィアだったが、
藍香自身が、すでにその設備を利用し、安全を確かめているという。
それなら迷うまでもなかった。
(はやく……この胸を……)
シルヴィアは、藍香に見張りを頼むと密室へと足を踏み入れる。
見かけほど狭苦しくはなかった。
確かに、藍香から聞かされていた通り、内部にはトイレと人通りの洗面設備もある。
意外な事に、こんな地の底のダンジョンにあるとは思えぬほど清潔な空間だった。
シルヴィアは、しばしの躊躇の後、そっと上着の前面をはだけると……
そこから、その幼い容姿にはアンバランスな量感を誇る、見事な乳房をさらけだした。
真っ白な肌、指に吸い付きそうな程の張り、そしてブラを外されてさえ、
見事な半球型を保っている、女性として完成された美しいバスト。
磨き上げられた鏡に写る、自身のその姿が、しかし、シルヴィアに
屈辱の記憶を呼び起こす。
そう、エルフの少女にあってはならないはずの、巨大な乳房。
それは、彼女が女性として望まぬ行為を強要され続けた、
その最悪の結末に他ならなかった。
「くっ」
膨らみの内に疼く衝動に耐えきれなくなったシルヴィアは、
ついに、そのほっそりとした指を自身のバストに絡めると……
弾力のある豊かな乳房を、自ら力いっぱい絞り上げる。
「んんっ、あっ、あああっ」
激しい痛みと同時に、抑えようもなく突き上がってくる官能。
切ない吐息を漏らすと同時に、乳房の先端から純白の母乳がほとばしる。
(ど、どうして、わたしが、こんな……)
エメラルドの瞳から、涙がこぼれおちる。
地の底のダンジョンで、怒りと屈辱に身を震わせながら、
銀髪のエルフは自らの乳房を絞りつづける。
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