物語に戻る
プリンセスブレイカーズ
ターン1/アムリア=レスティリア編/ダンジョン内  2010/02/11更新
(リィタさん……冒険者って、もっと怖い人を想像してたのですけれど……
良い方でしたね……。私のことを、あんなふうに呼ぶのは止めてもらいたい
ところでしたけれど。)
「そんなに……お嬢様みたいに見えるのでしょうか、私。」

(ルシフェルさん、私よりもずっと幼いのにこんな所まで……よほど、
何か事情が…。 いえ、余り詮索しすぎるのも、よくありませんね。)

宿で出会った二人のことを考える。
同じ賞金迷宮に挑戦する人達。
……つまるところ、自分のライバルでもある。
誰かと協力しあったほうが、迷宮での難易度は下がるかもしれない。
しかし、自分には少しでも多くの賞金を持ち帰らなければならない理由がある。
それは多分、他の人も同じであろうということは、アムリアにだって想像はつく。

「大丈夫です、まずは自分一人でどこまで出来るか、やってみましょう。
今まで培ってきた力は、きっとこのためにあるのですから。」

自分に言い聞かせるように頷く。
殺風景な景色が、やけに空恐ろしく感じられた。

「ええと……どこに行くのがよろしいのかしら。」

周囲に誰か潜んでいないか確認しながら、進む。
魔物への警戒は怠らない。
何時でも防壁魔法を展開できるように集中しながら歩く。
ダンジョン探索のノウハウは、余りなかった。
それは、罠を察知する技能が低いことを示していた。

最初に突きつけられた三択に、彼女はしばし迷った後、そのまま直進することを選択した。
「迷っていても、仕方ありませんものね。」
北の方面へと、アムリアは足を踏み出した。


開いた扉の向こう、そこも前の部屋と同じ殺風景な石壁の光景が広がっている。
しかし、この部屋には前回と異なり先客の姿があった。
上背のあるスキンヘッドをした大柄な男。
男は、アムリアの姿を目にすると、
全身から怒気を発し、野獣のような咆哮をあげ襲ってくる。

(いきなり、なんなんですの!?)
充分に警戒していたおかげで、アムリアは、その一撃をかわす。
「うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお」
しかし、男は再び叫び声をあげると、彼女めがけて両手を振り回しながら突進してくる。
その姿には、まるで知性という物が感じられず、人間というより獣のそれだった。

「くっ、いい加減に、してくださらないこと!」
アムリアは、華麗なパーティードレスを揺らしながら、男の攻撃をかわす。
だが同時に、その豊かなバストが揺れ、それがさらに野獣を刺激する事になってしまう。
(ここは、早めに障壁をはって、この方の動きを封じた方がいいですわね)
彼女が判断した時だった。

「えっ!?」

突如、天井から、もう1人の男が覆い被さってくる。
「うぉぉおおおおお! 兄者やったぞぉぉぉ!」
そう叫ぶと、男は背後からアムリアの身体を羽交い締めにする。
「よし、弟者よ! そのまま逃がすな!」
さきほどまでの理性のない野獣のような姿からは一転、
男は弟に加勢しようと、しっかりとした足取りで迫りくる。
(まさか、わたくしが計られましたの!?)

ビリリッ
ドレスの胸元が破られ、アムリアの密かなコンプレックスだった
豊かな乳房がまろび出る。
「や、やめなさい!」
彼女の叫びを無視して、野獣の掌が、その柔らかな胸の双丘を
激しくもみしだく。
「ああっ、痛いっ!」
でもその痛みと同時に、甘やかな昂ぶりが感じやすい彼女の膨らみを襲う。
(そんな、こ、こんな男に!)
全身が屈辱に震える。
背中から聞こえる荒々しいオスの息づかいが、ますます恐怖をかき立てる。
(こ、このままでは!)

ターン0へ  ターン2へ

所持アイテム
オーブ…1個

行動指定
【行動宣言】
「いた……いっ……離れて、くださいっ!!」
始めての行為。 欲望塗れの他人の手に激しく抵抗するも、
後ろから羽交い絞めにされたままでは抵抗しきることが出来ない。

(この人たち、何をしようとしているの……? 私に、こんな酷いこと……)
どんなに考えても、答えは一つしか出なかった。
自分は、目の前のスキンヘッドの男と、その弟の欲望のまま、身体を汚されようとしている。
明らかに優しさと礼儀に欠ける風貌。
印象だけで視るならば、絶対に近づきたくない類の人間であった。
羽交い絞めにされているままでは後ろを見ることは出来ないものの、
弟と呼ばれる男も同種の人間なのであろう。

(冗談じゃありません……この身は、誰かと結ばれるまでは清らかでなくては
いけないのですから……っ)

恐怖を覚え、必死で抵抗する。
しかし、組み伏せられた上に動揺している彼女では男二人の腕力には敵わなかった。

「ひぁっ……きもち……わるいっ……これ、なんですか…っ!?」
(でも……なんですの……これ、体が、熱くなって……)

胸を這い回る手に、極上の柔らかさと弾力を返す胸。
荒々しく乳房をもみしだくその動きは彼女に痛みを与えたが、
女性としての防衛本能と敏感な肢体が僅かながらに快楽をアムリアに伝える。
もみしだかれ、陵辱を受けるうちに乳首は硬く尖り、吐き出す息には淫らな熱が
混じり始めていた。

(い……や……いやあ……っ!)
体の昂ぶりと、目の前の男たちへの嫌悪感に、目を閉じていやいやをするように頭を振る。
されるがままに衣服をはだけられ、パーティドレスは胸元を引きちぎられただけではなく、
スカートも引きちぎられ、ぼろきれ同然となってしまう。

男たちはアムリアの反応を楽しむと、自らの欲望を満たすために肉棒を露にする。
「いや、いやいや……止めてえっ!! そんなの駄目ですっ……!
 そんなものに触れられたら、私汚されてしまいますわ……!」
涙さえ浮かべ、必死に止めるように懇願するもそれが聞き入れられるはずもない。
だが、純潔を奪われそうになった時、構成中であった障壁の魔術が暴発した。
不安定な精神状態と集中が原因である。

魔力の壁が攻性の防壁として彼女の身体を中心に広がり、
触れたものに傷を与え、大きく弾き飛ばしたのだ。

「………っ……ぁ……っ……に、げ…ないと……」

何が起きたのかは理解できなかったが、
男たちを弾き飛ばしたのを確認するとそのまま北へと走り去っていく。
少しでもその場から離れるように、足早に……。

(私は……あの子のためにも、こんな所で負けられないっ……)
美しかったドレスは今は見る影もなく、全裸よりも淫らな布切れへと化していたものの。
はたさなければならないことの為に、涙を流しながらもダンジョン探索を続行する。