ダレさんって最初は怖そうな人だなって思ってたけど
話しやすくってとってもいい人だなぁ…。
それにあんなにオーブ持ってるって事は
このダンジョンの事をよく知った人なんだろうし、
一緒に来てもらえればすっごく頼もしいとは思うんだけどね。
師匠からは建前上とは言え「修行して来い」って言われてるし、
しばらくは一人で力試ししてみたいって言うのも
正直なところなんだよね。
よし、とっても申し訳ないんだけど断っちゃおう。
もしそれでオーブを返せなんていわれたら
もちろん返すつもりだよ。
それで渋るようなら、ここに来るときに渡されたオーブも
差し出す覚悟はあるけど…さすがにそんなことは言い出さないよね?
「ごめんなさい、せっかくの有難いお誘いなんですけど…」
セリアは、ダレにむかって精一杯頭をさげる。
(もし、急に凄まれたりしたら、どうしよう!?)
しかし、そんな不安もよそに。
「いえいえ、それなら構わないんですよ」
ダレは明るい調子で言葉を続ける。
「修行の旅という事でしたら、手助けは不要ですね。
それじゃ、頑張ってください」
そのままダレは、軽く手を振るとセリアに背を向ける。
(やっぱり良い人だったんだ、こんな人を疑って……ダレさん、ごめんなさい!)
心の中で罪悪感を覚えてしまうセリア。
しかし、そんな彼女の心中を察した様子もなく、
男は北の扉に向かって立ち去っていった。
「よし、私も頑張んなきゃ☆」
セリアは、決意も新たに南の扉を開ける。
開いた扉の先は、やはりココと同じ石壁の部屋。
(こんな景色ばっかりじゃ、気が滅入っちゃいそう)
そんな事を思いながら、部屋の中央へ数歩、進み出た時だった。
突然、一方の壁が明るく光ると、そこに魔法で描き出された
映像が投影される。
「え!?」
セリアにだって、魔法ビジョンの鑑賞経験くらいはある。
しかし、その観客席が地の底のダンジョンだというのは、
あまりに場違いに思えた。
やがて、輝く映像は、より鮮明さを増していき、
そこに映し出されていたのは……
タコのような姿をした巨大な触手の化け物に、
ガッシリとした体格の女戦士が、全身を拘束されている。
戦士としての筋肉と、女性としてのしなやかさを兼ね備えた、
彼女の美しい肉体は、しばしセリアの視線を魅了する。
だが、そんな事に感心している場合ではなかった。
「!!」
化け物は、次々と彼女の衣服を脱がしていくと……
無数の吸盤で覆われた触手で、女戦士の豊満な乳房に吸い付いていく。
女性の身体にとって、大切な部分に意に沿わぬ吸盤愛撫を受ける屈辱に、
彼女は全身でもがき抵抗する。
だが、異形の豪腕の前には、あまりに無力だった。
ついに、全裸に脱がされた女戦士−エルリナ−の女性器に、
おぞましい異種の男根が挿入されていく。
目前で、グロテスクな化け物によって、女の性が蹂躙される光景に、
セリアは恐怖と嫌悪に、全身を緊縛される。
やがて、オスの本能を剥き出しにして、
エルリナの肉体に激しい情交を挑んでいた化け物は、
ついに全身を小刻みに震わせると、女戦士の穴という穴に、
臭い立ちそうなほど濃厚な白濁を注ぎ込んでいった。
映像が光を失い、スクリーンが元の無機質な石壁に戻った後も、
セリアは、呆然とそこを見つめ続けていた。
今の光景は、おそらくこの瞬間、ダンジョン内のどこかで
実際に起こった出来事を、マライズ中継によって写し出した物だろう。
この迷宮にいる限り、自分の肉体もまた、女として最大限の危機に
晒され続けている。
その理解に、セリアは背筋が寒くなる。
その時だった。
西の扉が開き、1人の女性が姿をあらわす。
漆黒のドレスを身にまとった玲瓏とした美女。
彼女は、セリアの姿にきづくと…
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