クリスタと別れ東の扉をあける。
そこもまた、これまでと同じ無機質な意志の壁に囲まれた部屋。
「クリスタさんは私の好みではないけど、仲間として背中を預けるには
信頼できそうなタイプね。でも、目的が読めない相手って苦手だわ」
そう言いながらも、ミサはクリスタとの出会いに感謝の祈りを捧げる。
願わくば、彼女の挑戦が無事終わりますようにと言う願いも込めている。
不幸になる女の子は少なければ少ないほど良い。
それはミサが常日頃願っていることでもある。
「それにしても……」
周囲を見回してミサはため息をつく。
「派手に飾りつけなさいとは言わないけど、もう少しお洒落に出来ないのかしら、
このダンジョン」
前の部屋と全く変わらない、つまらない風景。
「女の子を呼び込みたいんでしょうに。ならせめてもう少し可愛らしくしないと、ね?
聞いてるのかしら?」
このダンジョンの挑戦者達は、今も主催者側によってモニターされている可能性が高い。
そんな誰かに向かっての独り言は、四方を取り囲む無骨な石の壁に吸い込まれていく。
だが、そんな声に悪意をもって応えたのだろうか、
突然、石壁の一方が明るく輝くと、そこに何か魔法映像のような物が映し出される。
「何?」
やがて、画面は鮮明さを増していく。
タコのような姿をした巨大な触手の化け物に、
ガッシリとした体格の女戦士が、全身を拘束されている。
戦士としての筋肉と、女性としてのしなやかさを兼ね備えた、
彼女の美しい肉体は、しばしミサの視線を魅了する。
だが、そんな事に感心している場合ではなかった。
「!!」
化け物は、次々と彼女の衣服を脱がしていくと……
無数の吸盤で覆われた触手で、女戦士の豊満な乳房に吸い付いていく。
女性の身体にとって、大切な部分に意に沿わぬ吸盤愛撫を受ける屈辱に、
彼女は全身でもがき抵抗する。
だが、異形の豪腕の前には、あまりに無力だった。
ついに、全裸に脱がされた女戦士−エルリナ−の女性器に、
おぞましい異種の男根が挿入されていく。
目前で、グロテスクな化け物によって、女の性が蹂躙される光景に、
ミサは嫌悪に表情を歪める。
やがて、オスの本能を剥き出しにして、
エルリナの肉体に激しい情交を挑んでいた化け物は、
ついに全身を小刻みに震わせると、女戦士の穴という穴に、
臭い立ちそうなほど濃厚な白濁を注ぎ込んでいった。
「そう、これがあなた達のやり方ってわけ」
光を失い映像の消えた石壁に向かって、ミサの冴え冴えとした声が響く。
今の光景は、おそらくこのダンジョンで実際に起きている出来事が、
リアルタイムで中継された物だろう。
あまりに悪辣なやり方に、怒りがわきあがる。
冷たい憎悪をたたえたまま、ミサはさらに東の扉を開けた。
開いた扉の先、そこに居たのは1人の少女だった。
腰まである金髪のロングヘア、白いブラウスを下から押し上げる
抜群のプロポーションと、股下ギリギリのチェックのミニスカートが目に眩しかった。
おそらく彼女も今しがた、あのおぞましい映像を見せられたばかりなのだろう。
壁の一面を見つめ、真っ青な顔をしたまま立ち尽くしている。
そんな彼女にミサは…
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