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プリンセスブレイカーズ
ターン3/ミサ編/ダンジョン内  2011/11/23更新

「こんにちはっ」
ミサの前に現れたのは、セリア・ルーンワークだった。
愛らしい顔立ちと腰まであるブロンドのロングヘア、
つい今しがた衝撃的な映像を見たばかりなのだろう。
なのに、健気に笑顔をむけてくる彼女にミサは自然とほほえみをかえす。
「ごきげんよう、あなた、おひとり?」
「はい、そうです!」
そう答えて、セリアもまたホッと息をつく。
(ダレさんも、悪い人じゃなかったけど……
 やっぱり女の人の方が安心できるなあ)
しかも、目の前の女性−ミサ−は、同じ女性である彼女から見ても、
うっとりするほど美しかった。
(はあ、綺麗な人だなあ)
そんな事を考えながら、セリアが思わず惚けてしまうと。
「ふふ」
ミサは、意味深に微笑む。
「少し疲れたわね、一緒にお茶にしない? 少し嫌な物も見てしまったし」
この地の底のダンジョンで“お茶”なんて場違いな言葉をだしても、
こんなに似合ってしまう女性が、この世に他にいるだろうか?
「はいっ! よろこんで!」
そんな事を考えながら、セリアはミサの横に腰をおろした。

互いに自己紹介をおえた後、セリアは、すこしの躊躇の後、
おそるおそる口をひらく。
「あの、さっきミサさんの言ってた、嫌な物って……」
そこまで言って口ごもるセリアの姿に、ミサの表情が曇る。
「……あなたも、見てしまったのね?」
「はい……」
そう、自分よりもずっと腕も経験もありそうな、立派な女戦士が、
異形の化け物によって、目も覆いたくなる様な行為を……
脳裏によみがえる、おぞましい光景にセリアの肩がブルリと震える。
「そうよ、ここは、そういう場所なのよ」
そうつぶやいたミサが、そっとセリアの肩に手をのばした時だった。

「えっ!!」
「これは……」
ふたたび暗闇に光があふれだし、
矩形に切り取られた空間に映像がうかびあがる。
まだ、記憶にも生々しい、さきほどのマライズから、
それほど時も経ていないのだ。
「ひどい……」
十分に身構えたつもりだったのに、
セリアは衝撃に、それ以上の言葉を失ってしまう。

映し出されている場所は、ふたたびダンジョンの内部だった。
怪しげな台座からあふれだした、おびただしい数の触手に
銀髪のエルフ−シルヴィア−が捕らわれている。
その神話の世界から切り出されたような、美しい少女の姿が
おぞましい肉管とのコントラストに無惨さを増す。
さらに、幾本の触手が掲げるのが、黒い貞操帯のようなものだと察すると、
いつもは氷の様に整ったミサの相貌に怒りの色がさした。

そう、ただの貞操帯ではなかった。
股間には、クスコと呼ばれる金属製の医療器具がとりつけられている。
それも、2つも。
その禍々しい輝きに気づいたエルフの顔色がかわる。
「ま、まさか、それをわたしに!?」
銀髪を振り乱して暴れる彼女の下半身へと触手が殺到する。
ビリリッ、と繊維の断たれる音が甲高く室内に響き渡る。
ミニスカートをボロボロにされると、触手達は容赦なく下着まで引き裂いてしまう。
触手達は、黒い貞操帯をエルフの無防備な下半身へと近づけていく。
もはやこのトラップの意図する所は明白だった。
「やめろ、近づけるな! そんなっ! あああっ」
映像の中、シルヴィアは死に物狂いで抵抗をつづけている。
しかし、ついに銀髪のエルフ少女の下半身に、そのおぞましい貞操帯
−呪いの逆貞操帯−が無理矢理、装備されてしまう。

「んっ くうっ」
エルフの喉元から、苦痛と同時に奇妙に艶を帯びた悲鳴が漏れる。
理性の拒絶とは裏腹に、シルヴィアの下半身は、あの鈍い金属の光を見た瞬間から、
ねっとりとした蜜の分泌を開始していた。
そして、その小さな膣口は、卑猥な水音をたてながら、予想外にスムーズに
下腹部の奥底へとクスコを飲み込んでいく。
「あっ ああっ」
触手に支えられたまま、ガクガクと前後に揺れる腰。
やがて2つのクスコは、膣とアヌスにぴったりと収まると、
カチンと小さな金属音を響かせて、自動的にそこを開口させていく。

「や、やめ……ろ……んんっ」
久しく男根を受け入れていなかったメス膣が、こんな無骨な金属器機にさえ、
過敏に反応し、切ない疼きを伝えてくる。
加えて、膣とアヌス、女性にとって最も大切で恥ずかしい部分を、
こんな屈辱的な方法で強制開口されてしまった恥辱に全身が震える。

切なく悶え鳴き声をあげる、可憐なエルフの痴態に満足したのか、
呪われた貞操帯をエルフの少女の身体に完全に固定し終えた触手達は、
もと居た台座の中へと帰っていく。
数分後、室内には、荒い呼吸と共に台座に手をつき上半身を預け、
その女の弱点への責めに、幼い肢体をビクビクと痙攣させる
エルフの姿を映しだしたまま、唐突にマライズは消え去った。

(!!)
映像に映しだされていたのは、街でみかけたあの美しいエルフだった。
ミサの審美眼にかなうほどの容姿をもった女性というのは、滅多と存在しなかった。
しかも、それがエルフとなれば……
至高の美術品に泥をぬりたくるような愚かな行為。
ミサの胸の内に怒りの炎が燃えあがる。

セリアもまた呆然と映像の消え去った虚空をみつめながら、
記憶を反芻する。
見せつけられたのは、美しいエルフに加えられた
あまりにも残酷な拷問だった。

同時に、ミサはまた自分の傍らにも、
あのエルフにも劣らぬ愛らしい少女が、守るべき存在として
恐怖に肩を震わせていることを忘れてはいなかった。
「大丈夫、大丈夫よ」
ミサのひんやりと心地よい腕が、セリアをやさしく抱きしめる。
「あっ」
そのやわらかな抱擁の心地よさに、彼女は思わずのどをならしてしまう。
(ミサさん、すごく、いい匂いがして……)
「あなたは、あんな目に遭わせたりはしない、あたしが守ってあげる」
ミサが、その怜悧な美貌にあたたかな笑みをうかべると、
セリアは彼女の瞳に引き込まれる様にぼうっと見つめてしまう。
「ミサ……さん」
「さあ、だから、安心して……」
その先の言葉は聞きとれない。
けれど、セリアは彼女の言葉に導かれるまま……


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所持アイテム
オーブ…1個